風景写真講座① 構図の作り方 基本編

写真愛好家の皆さん、こんばんは。
フォトファンタジスタ×シティランナーのw.aokiです。

今日は、風景写真の構図作りについてお話しようと思います。
2008年にデジタル一眼レフカメラを購入し、僕は本格的に風景写真の世界にのめり込みました。
以来、2013年10月頃~2016年9月頃までの3年間程のブランクはありましたが、通算でおおよそ10年間、風景写真と向き合ってきました。

全て独学だったため時間は掛かりましたが、この間色々と自問自答を繰り返しながら、少しずつ成長してこられたかなと思っています。
その結果、アマチュアなので非職業写真家セクションになりますが、世界でも有数の写真コンペティションで自然風景写真カテゴリの世界第2位に輝くなど、結果を残すこともできるようになりました。

そんな経験を踏まえ、これから写真について学びたいと思っている方々に何か役に立つフィードバックできないかと考えた結果、風景写真を学ぶ上で大切になる構図作りに関するお話をさせていただくのも良いかなと思い、今回、筆を執るに至りました。

と言うことで、本日は風景写真の構図の作り方について以下3つの項目に分けてお話させていただきますので、お付き合いいただけますと幸いです。
なお、以下の3つのトピックを選択すると該当するトピックに移動できますので、目的のトピックがある場合は一気に進んでいただくことも可能です。

では、始めますね。
 

Today’s Topic

  • 1.はじめに
  • 2.風景写真で使う主な構図
  • 3.風景写真で使うその他の構図

  • 1.はじめに

    構図の作り方と言うと、何だか難しそうだなと思うかもしれませんが、
    考え方は案外単純です。
    構図を調理法に例えると分かり易いかと思いますが、目の前の風景をどの調理法を利用すればより美味しい(見ていて気持ちが良いなと思う)料理(構図)が作れるかと言って良いでしょう。

    例えば、こちらの2枚をご覧ください。

    まずは右の縦アングルの写真を見てみましょう。
    この写真から何が伝わるでしょうか。

    「冬山ですね~。」
    「夕焼けが綺麗そう。(そう と言っているのは、紫色の空が少し見えるだけだから)」
    「寒そうだな~。」
     

     
    何となく三分割法な雰囲気があるけど・・・
    せっかくの山の写真なのに、これだと山の壮大なスケール感が伝わってきませんね。

    何故でしょうか。
    簡単に言えば、奥行が無いためです。

    では、今度は左の写真を見てみましょう。
    こちらはと言うと、現像を含めこんな風に構図を作っています。

     
    簡単にまとめると、2つの山塊の対比で遠近感を出しつつ、三分割法で上1/3を空、下1/3を大地で切り分けて撮影しました。
    また現像の際には、見る人の目が三分割法で分けた右真ん中辺りのエリア(赤丸で囲まれた斜里岳の山頂から手前の稜線に掛けてのエリア)に最初に目が行くように、斜里岳の山塊の輝度を上げて明るめに現像し、そこから左のエリアの知床連山の方に視線が動いて行くことを狙っています。
    こうすることで作品の中で見る人の視線が動くので、より全体に目を向けてもらい易くなります
    視線誘導には色々な考え方があると思いますが、自分はまず輝度差の高いエリアに最初に目を向けてもらってから他のエリアへと視線を動かしてもらい、更に全体を見てもらうことを狙いとした考え方で取り入れています。

    上の写真はセスナ機の中で単焦点レンズを交換しながらの撮影でしたが、頭の中では事前にどのような構図を作って撮影しようか考えていたため、最初に記載した三分割構図と山塊の対比で遠近感を狙う組立は或る程度スムーズにできました。
    この、事前にどのような構図を作るか幾つかのパターンを想定しておく作業は、刻一刻と移り変わる風景の前で必須な作業になりますので、頭の片隅に置いておいていただければと思います。
     
    では、どんな構図があるのか、そしてどういったシーンにどういった構図が適しているのか、その辺りを次のトピックでお話しますね。
     
     

    2.風景写真で使う主な構図

    ①日の丸構図

    これは風景写真以外の写真においても、最もメジャーな構図と言って良いかもしれません。
    誰もが聞いたことがあるのではないかと思います。
    日の丸構図は、主に花火、山、一本桜など、インパクトのある目の前の被写体を注視してほしい時に最適な構図と言えるでしょう。
    以下、僕が日の丸構図を使用して撮影した写真の一例です。

     
    ②二分割法

    この二分割法は、日の丸構図に次いで分かり易い構図と言えるでしょう。
    特に画面を前景と背景の2つの要素に分割するイメージで用いることが多く、空と大地、海と空のような、異なった2つの要素をどちらも際立たせたい時に用いると効果的です。
    風景写真でも割と多用しますね。
    以下、僕が二分割法を使用して撮影した写真の一例です。

     
    ③三分割法

    こちらもデザインの世界では、割とメジャーな手法として知られています。
    簡単に言うと、フレームを縦横それぞれ3分割したり、縦のみまたは横のみに3分割したりして、異なる要素を分割したフレームにバランス良く配置する手法です。
    縦のみだったり横のみだったり、縦横両方だったります。(風景では横のみ3分割は殆どやりませんが)
    二分割法と似ていますが、フレームのどの部分で要素を区切るかが異なりますし、要素が3つ以上に亘る場合はこちらを使用した方がお互いを引き立て合うことができます。
    また、自然風景を撮影する時に効果的な視線誘導を狙って使用することもありますね。

    例えば以下の写真。
    こちらでは、見た人が最初に眺めた時に太陽を見るか、手前のインパクトのある大岩やその右の輝度の高い雪原を見るか想定できません。(恐らく太陽を見る人の方が多いでしょう)
    なので、太陽を最初に見た人はそこから前景の大岩や右の雪原に、手前の大岩や雪原を最初に見た人は奥の太陽の方へ視線が移動していくことを狙って、手前の前景の大岩を比較的明るめにしたり、雪原の彩度を少し上げて目立つように現像しています。(RAWデータでは手前の大岩の輝度はもっと暗いです)

    視線が作品の中で動いていくことで、より全体へと目を向けてもらえる切っ掛けを作りたいという狙いがあります。
    1点だけしか視線が行かない(1点から視線が動かない)ような写真になってしまうと、見る人がパッと見てそこで終わってしまうことも考えられるため、それを避けるための方法です。(勿論、上手くいくとは限りません)

    その他、以下は僕が三分割法を使用して撮影した写真の一例です。 

    上の写真の場合は、見た時に最初に前景のピンク色の霧氷と雪原に目が行くことを想定して(上の薄緑の枠のエリア)、左上の富士山の領域の上の空を白飛び寸前位に明るく現像しています。
    こうすることで後ろの輝度の高いエリアへと視線が移動するため、その他のエリア(例えば空や南アの領域や木々の領域など)にも結果的に視線が動いていくことが狙いです。
    また、最初に富士山のエリアに視線が行った場合も考え、手前のピンク色に染まった霧氷の方に視線が行くように霧氷のエリアの雪原の輝度も少し高めにして現像しています。(その場合は次に木々の領域や前景の中央辺りに目線が動き、全体へと広がっていくことを想定)

     
    ④対角構図

    日の丸構図、二分割法、三分割法の次に知られているのが、フレームに対角線を引いて要素を分割するとともに、写真に奥行きを与えて動きを付ける対角構図です。
    対角線上に主題を配置しても、対角線を用いて主題と副題を分けるフレーミングでも良いと思います。
    一般的に縦や横にフレーム内で要素を切ると見易くはありますが、きちんとした印象も与えることにもなります。
    そのため、自ずと二分割法や三分割法は静止した場面での使用が多くなりますが、この対角構図は風景の中でもフレームの中に動きがあったり変化する対象物を含める時に、効果的に感じることが多いなと個人的には思っています。
    以下、僕が対角構図を使用して撮影した写真の一例です。 

     
    ⑤黄金比

    こちらは元々は古代ギリシアにおける建築の世界で生まれた比率ですが、
    美しいと感じる比率ということで知れ渡ったため、芸術の世界でも広く使われるようになりました。
    使用用途は色々ですが、フレームを覗きながら正確に「1:1.618」を計測することは不可能なため、大体この位かなという感覚で、構図を作る時にたまに使用しています。
    円弧で要素を区切るため写真の印象が柔らかくなり易く、幻想的だったり優しい表現の時に向いている技法だなと個人的には思っています。
    以下、黄金比をイメージして撮影した写真の一例です。

     
    最後の黄金比はあまり使用する機会も少ないですが、メジャーな構図なので紹介しました。
    どちらかと言うと人物を撮影する時に自分は使うことがある気がします。

    ここまでが、僕が風景写真を撮影する時に使用している主な構図になります。
    一般的に絶景写真と言われる風景写真では日の丸構図を使用することが多いですが、アーティスティックな作品をイメージして撮影をする時は、二分割法、三分割法、対角構図(またはその組合せ)を使用することが多いように思えます。

    その他、これまでに紹介した以外の構図も風景写真で使用することがありますので、以下でさっと紹介したいと思います。
     
     

    3.風景写真で使うその他の構図

    こちらの放射構図は、画面が流れ易い超広角レンズを親和性が高いですね。
    特に広がりが強調されるので、臨場感を狙ったフレームワークと言えるでしょう。

    もう1つ、いってみましょう。
     

    この額縁構図は単一の要素で額縁を作った方が効果的な演出となるため、それ程多くの場面で構想に入ることはありませんが、ハマった時には強いインパクトを伝えられる構図だと思います。
    日の丸構図が押しの構図ならば、この額縁構図は引きの構図とも言えるかもしれません。
    個人的にはそんな風な印象で用いていますね。


    以上の7つが、おおよそ僕が風景写真を撮影する時に使用する構図です。
    構図の作り方は色々とありますが、個人的には料理に似ていると思っています。
    大切なのは、

    どのシーン(素材)で
    どの作図方法(調理方法)を使って
    どんなフレームワーク(どんな料理)を

    作り出せるか、これに尽きるのではないでしょうか。

    自分がこの目で見た風景の感動を、いかに一枚の写真に込めて表現できるのか。
    そのために必要なツールの一つが、効果的に構図を組むことができるスキルと言えるでしょう。
    そして、その作図過程を楽しみながら、風景写真ライフも楽しんでくださいね。

    最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

      

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